動物性食物は、ビタミンやミネラルだけでなくカラダを作るうえで欠かせないたんぱく質が豊富です。
ならば、筋トレのために効率よくたんぱく質をとるとしたら、牛肉や豚肉、鶏肉の肉類と魚のうちどの動物性食物を選びますか。
今回は、牛肉、豚肉、鶏肉、魚の動物性食物について紹介をします。
牛肉、豚肉、鶏肉、魚に期待する効果
日本が世界一の長寿国となった理由の一つに動物性食物の摂取量の増加が、大きな役割を果たしているといわれています。
では、牛肉、豚肉、鶏肉、魚の動物性食物は、筋トレにどのような効果あるのでしょうか。
カラダをつくる
動物性食物の良質なたんぱく質は、筋肉や内臓、骨をつくるために欠かせない栄養素であり、カラダの成長にも大きな影響を及ぼしています。
それは大豆などの植物性食物のたんぱく質よりカラダに吸収されやすいという特徴があります。
脂肪燃焼を助ける
牛肉、豚肉、鶏肉、魚の動物性食物にはそれぞれの部位があり、色々な調理法を用いて食べています。
とりわけ、牛肉、豚肉の赤身肉や鶏肉、魚には脂肪燃焼を助けるL‐カルニチンという成分が豊富に含まれています。
ある研究論文によるとL‐カルニチンを摂取していると運動時に脂肪燃焼率があがり、さらにL‐カルニチンの働きが活発になるというデータが発表されています。
参照データ:スポーツ科学研究
牛肉、豚肉、鶏肉、魚と必須アミノ酸
たんぱく質を構成させるためには、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸と体内で合成できる11種のアミノ酸が必要です。
合わせて20種類のアミノ酸のうち、ひとつでも欠けるとたんぱく質は作れません。
そして動物性食物である牛肉、豚肉、鶏肉、魚には、バランスよく必須アミノ酸がすべて含まれています。
では、それぞれの部位はどのアミノ酸に多く含まれているのでしょうか。
必須アミノ酸とは
たんぱく質を作るためには以下のアミノ酸が必要になります。
必須アミノ酸 (9種) | 主に含まれている 動物性食物 | 非必須アミノ酸 (11種) | 主に含まれている 動物性食物 |
※バリン | クロマグロ・牛・豚レバー | アルギニン | イセエビ・豚ロース赤身 |
※イソロイシン | クロマグロ・豚ロース赤身 | グルシン | 車エビ・豚ひき肉 |
※ロイシン | カツオ・鶏ムネ肉 | アラニン | 豚肉ヒレ・ササミ肉 |
メチオニン | クロマグロ・鶏ムネ肉 | セリン | イクラ・かつお節 |
リジン | カツオ・マアジ | チロシン | クロマグロ・豚ロース赤身 |
フェニルアラニン | 牛レバー・クロマグロ | システイン | 牛・豚レバー |
トリプトファン | カツオ・牛・豚レバー | アスパラギン | |
スレオニン | クロマグロ・豚ロース赤身 | グルタミン | 牛・豚レバー |
ヒスチジン | カツオ・クロマグロ | プロリン | |
アスパラギン酸 | |||
グルタミン酸 |
必須アミノ酸と筋肉
バリンとロイシン、イソロイシンの3種類は、主に筋肉に多く含まれています。そのため筋肉量の維持や向上に期待できます。
筋トレの最中に動きが鈍くなった経験はありませんか。もしかするとバリン、ロイシン、イソロイシンの不足が考えられます。
必須アミノ酸と食べるタイミング
筋トレ後ロイシンと摂ると疲労回復力が早いといわれています。それと同時に水分補給も忘れずにしましょう。
牛肉と豚肉、鶏肉と魚とたんぱく質
動物性食物が大きくたんぱく質と関連していることが分かりました。
牛肉、豚肉、鶏肉、魚、それぞれ効能も特徴にも違いがあります。それぞれの部位についてみていきましょう。
成人たんぱく質摂取基準(g/日)
年齢(歳) | 男性 | 女性 | ||
推定平均必要量 | 推奨量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | |
18~19 | 50 | 65 | 40 | 50 |
30~49 | 50 | 65 | 40 | 50 |
50~64 | 50 | 65 | 40 | 50 |
65~74 | 50 | 60 | 40 | 50 |
75以上 | 50 | 60 | 40 | 50 |
牛肉
部位 | たんぱく質量 (g/可食部100gあたり) | カロリー (Kcal/可食部100gあたり) |
ロース | 16.6 | 308 |
ヒレ | 20.8 | 195 |
モモ | 20.5 | 181 |
レバー | 19.6 | 132 |
牛肉の赤身は、部位にかかわらず、たんぱく質を多く含んでいます。上記の成人摂取基準と比較してもわかるように男性は、1日の1/3の量を牛肉で摂取できます。
豚肉
部位 | たんぱく質量 (g/可食部100gあたり) | カロリー (Kcal/可食部100gあたり) |
ロース | 21.1 | 202 |
ヒレ | 22.2 | 130 |
モモ | 21.5 | 148 |
レバー | 20.4 | 128 |
豚肉の特徴は、良質なたんぱく質だけでなく、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群が豊富です。筋トレのエネルギー消費量を補えるので、積極的に摂ることをおすすめします。
鶏肉
部位 | たんぱく質量 (g/可食部100gあたり) | カロリー (Kcal/可食部100gあたり) |
ムネ | 21.3 | 145 |
モモ | 16.6 | 204 |
ササミ | 23.0 | 105 |
レバー | 18.9 | 111 |
たんぱく質は、牛肉や豚肉とそんなに大きく変わりません。でも低カロリーで消化吸収がよく淡白で食べやすいのが特徴です。
魚
種類 | たんぱく質量 (g/可食部100gあたり) | カロリー (Kcal/可食部100gあたり) |
アジ | 19.7 | 126 |
カツオ | 25.0 | 165 |
クロマグロ | 20.1 | 344 |
車エビ | 21.6 | 97 |
魚は種類が豊富なのでほんの一部ですがご参照下さい。上記の魚はいわゆる赤身魚になります。持久力の高い筋肉を持っているのが特徴です。
他に白身魚のサケやタラ、タイなどがたんぱく質がトップクラスになります。
たんぱく質を摂るなら牛肉、豚肉、鶏肉ですか?それとも魚ですか?:まとめ
牛肉、豚肉、鶏肉の各部位や魚の種類のたんぱく質量を数値化して比べました。
牛肉は、体脂肪が燃えやすいL-カルニチンが多いけど、カロリーが高めです。
豚肉は、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群が豊富ですね。
鶏肉は、高たんぱく質で低カロリーでたんぱく質の吸収率が早いのが特徴です。
魚は、どの種類も高たんぱく質で、クロマグロ、カツオがおすすめですが、魚の缶詰やツナ缶を利用するのもいいでしょう。
バランスのよい食事を心がけ、元気に筋トレしましょう!